高齢化社会といわれる昨今、需要が高まっているのが介護美容師・福祉美容師です。とはいえ、この職業自体知らないという方も少なくない仕事のため、その具体的な仕事内容や必要な資格が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事の内容は次の通りです。
- 介護美容師・福祉美容師とは? どんなお仕事なの?
- 働く場所は|介護施設や自宅を訪問
- 介護美容師・福祉美容師になるためにはどうすればいいの? おすすめの資格とは
- 介護美容師・福祉美容師の需要は高い? 求人情報をチェック
- 介護美容師・福祉美容師はこれからますます必要になるお仕事!
今回は、介護美容師・福祉美容師について、仕事内容や必要な資格について解説します。おすすめの資格もあわせてご紹介しますので、ぜひ仕事選びの参考にしてみてください。
介護美容師・福祉美容師とは? どんなお仕事なの?
福祉美容師・介護美容師とは、介護を必要とするお年寄りや障がいを持っている方、妊婦さんなどのヘアカットをおこなうお仕事です。介護美容師・福祉美容師の具体的な仕事内容について、詳しく確認していきましょう。
介護美容師はどんなお仕事をするの?
まずは、介護美容師・福祉美容師の具体的な仕事内容について詳しく解説します。介護美容師・福祉美容師の仕事内容は、ヘアカットを中心とした通常のサロン勤務と同じものです。もちろん、お客様の希望にあわせて、パーマ・カラー・スタイリングをおこなう場合もあります。
介護が必要な方のヘアカットなどを行う
上述したとおり、介護美容師・福祉美容師は、お年寄り・障がいを持っている方・妊婦さんなど、介護を要する方をお客様とします。そのため、求められるのは美容師としての技術だけではありません。
たとえば、お客様の中には「一人でうまく移動できない」「意思疎通が難しい」という方もいらっしゃいます。介護美容師・福祉美容師は、そういったお客様一人一人の状況にあわせて、臨機応変に対応しなければなりません。
介護やメンタル面のケアなど、通常のサロン勤務以上の知識と気遣いが必要となります。決して簡単な仕事ではありませんが、介護美容師・福祉美容師の中には、それをやりがいと感じている方も多いようです。
働く場所は|介護施設や自宅を訪問
お年寄り・障がい者の方・妊婦さんなどは、介護を必要とするがゆえに、美容室やサロンになかなか訪れることができません。そのため、介護美容師・福祉美容師は、美容室やサロンでお客様を待つのではなく、自分から介護施設や自宅を訪問します。この特徴から、「訪問美容師」と呼ばれることもあるようです。
介護施設を基準にして働くため残業はほとんどなく、土日休みの職場も珍しくありません。通常のサロン勤務よりも、ライフワークバランスがとりやすい仕事といえるでしょう。
介護美容師・福祉美容師になるためにはどうすればいいの? おすすめの資格とは
介護の知識やメンタル面への気遣いなどを必要とするものの、やりがいがありライフワークバランスがとりやすい介護美容師の仕事。では、福祉美容師・介護美容師になるには、どうすればいいのでしょうか? ここからは、介護美容師・福祉美容師に必要な資格などを解説します。
必要な資格はある?
介護美容師・福祉美容師として働くためには、美容師免許を取得しなければなりません。美容師免許を取得するには、まず厚生労働省指定の養成施設に入所します。定められた修業期間は、昼間・夜間の場合2年間、通信の場合3年間です。養成施設を卒業すれば、厚生労働省が実施する試験を受けることができます。
美容師の試験は、筆記と実技の2種類。合格率は年によって違いますが、平均60~80%程度です。
同じく試験が必要な資格として「理容師」がありますが、こちらは美容師とは異なるので注意しましょう。混同されることも多い2つの資格ですが、実は許可された仕事内容が若干違います。たとえば、理容師は美容師にはできない顔そりをほどこすことができますが、パーマをあてることはできません。
働きながら美容師免許を取得するなら専門学校の夜間や通信コースがおすすめ!
介護美容師や福祉美容師を目指す方の中には、介護士など別の職業についている方も多いことと思います。働きながら美容師免許を取得するなら、専門学校の夜間コースや通信コースがおすすめです。
夜間コースについては、始業時間が遅い以外、昼間コースとほぼ同じ内容を学ぶことができます。周りにも働きながらの資格取得を目指す仲間が多いため、刺激を受けながらともに頑張ることができるでしょう。
通信コースについては、おもに添削指導で美容師の仕事について学びながら、定められた時間の直接指導をこなしていきます。夜間コースよりも1年余分に卒業までの時間がかかるものの、自分のペースで学びつづけることができるでしょう。
美容専門学校において、夜間コースや通信コースのいずれか、あるいは両コースともに設けている学校は多くあります。東京都であれば、たとえば下記の2校などは夜間・通信どちらのコースも設けている学校です。
介護士の免許も取得しなければダメなの?
介護美容師・福祉美容師にあたって必要な資格は美容師免許だけなので、介護士の免許は必須ではありません。しかしながら、その業務に介護の要素が多く含まれる以上、介護にかかわる資格を取得しておけば間違いなく役立ちます。
介護士の免許というと、筆頭は国家資格の介護福祉士ですが、受験のための条件は「3年以上の実務経験」または「福祉系の学校の卒業」と、なかなか厳しいものです。また、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修は特別な経験や資格抜きで受けることができますが、研修時間は130時間や450時間と長期にわたります。
より短時間で効率的に介護や福祉の勉強をするなら、福祉理美容師や訪問福祉理美容師の資格がおすすめです。どちらも美容師の資格を持っていれば受けることができ、数日で完了するので時間もあまりかかりません。
日本理美容福祉協会|福祉理美容師
福祉や介護を学びたい美容師におすすめの資格のひとつである、福祉理美容師。日本理美容福祉協会が主催する資格であり、理美容に加えて福祉や介護の正しい知識を身につけることができます。
受講にかかる期間は講義とスクーリングあわせて2日間で、費用は2万7,000円です。受講が終了すると、3,000円で資格認定カードが発行してもらえます。
全国さまざまな土地で開催されているので、地方に住んでいる方も比較的簡単に受講することができるでしょう。
日本訪問福祉理美容協会|訪問福祉理美容師
訪問美容師の仕事について詳しく学びたい方におすすめの資格である、訪問福祉理美容師。日本訪問福祉理美容師協会が主催する資格であり、お年寄りや障がいを持っている方に、健常者と同じように理美容のサービスを提供するコツを学びます。
受講にかかる期間は実質6時間程度で、認定証も即日交付されます。
介護美容師・福祉美容師の需要は高い? 求人情報をチェック
やりがいのある魅力的な仕事である介護美容師・福祉美容師ですが、その需要についてはどうなのでしょうか?実際の求人情報をチェックした結果をご紹介します。
介護美容師の需要は高い!
結論からお伝えすると、介護美容師・福祉美容師の需要は「高め」です。実際の求人情報を検索したところ、正社員の求人をはじめとして、週に2~3日から勤められるアルバイト・パートの求人なども見られました。時給についても、通常の飲食店や小売店のアルバイト・パートよりも、比較的高めに設定されています。直行直帰が可能な仕事など、ライフワークバランスがとりやすい条件のものも散見されました。
現状でも需要の高さがうかがえる介護美容師・福祉美容師ですが、日本における高齢化が進むにつれて、さらなる需要が期待できます。介護職と同様に、全国的に広く安定的な需要が望める仕事といえるでしょう。
介護美容師・福祉美容師はこれからますます必要になるお仕事!
介護美容師・福祉美容師とは、お年寄り・障がいを持っている方・妊婦さんなどをお客様とし、カット・カラー・パーマ・スタイリングなどを提供するお仕事です。美容師の資格は必須ですが、介護士の資格は必要ありません。一人一人のお客様に合わせた対応が求められるため、美容師としての技術だけでなく、介護の知識やメンタル面への気遣いが求められます。
ライフワークバランスがとりやすい傾向にあるほか、今後もますます需要が高まっていくことが予想されるため、キャリアパスのひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。
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